しんどさ・悩み

訪問介護を辞めたいと思った時に考えること

訪問介護を辞めたいと思った時に原因を整理しようとする介護職員の様子

訪問介護をしていて、 「もう辞めたい」 と思う瞬間はあります。

利用者さんや家族から理不尽な言葉を受けたとき。
相談しても事業所が動いてくれないとき。
体が限界なのに、次の訪問へ向かわなければいけないとき。

そんな日が続くと、 「自分は訪問介護に向いていないのかな」 と感じてしまうことがあります。

こんな状態になっていませんか?

  • 訪問前から気持ちが重い
  • サービス後にしばらく動けない
  • 利用者さんや家族の言葉を何度も思い出してしまう
  • 相談しても何も変わらず、孤立感が強くなっている

まず伝えたいのは、 辞めたいと思うこと自体は、悪いことではない ということです。

辞めたいと思うのは、
弱さではありません。

ただし、勢いだけで辞めてしまうと、あとから後悔することもあります。 だからこそ大切なのは、感情を否定することではなく、 なぜ辞めたいのかを分けて考えること です。

この記事では、訪問介護を辞めたいと思ったときに整理したい原因、 一時的な疲れなのか、職場を変えた方がいいサインなのか、 そして次に取るべき行動を現場目線でまとめます。

運営者
運営者

辞めたいと思ったからといって、すぐに「自分はダメだ」と決めつけなくて大丈夫です。まずは、何が自分を追い込んでいるのかを一つずつ分けて見ることが大切です。

訪問介護を辞めたいと思いやすい場面

訪問介護で辞めたい気持ちが強くなる場面には、いくつか共通点があります。

1. 理不尽な対応が続いたとき

利用者さんや家族からの暴言、無理な要求、夜間の呼び出し、計画外の依頼。 こうしたことが続くと、 「自分だけが耐えている」 という感覚が強くなります。

もちろん、利用者さんや家族にも不安や事情があります。 ただ、それとヘルパーが一方的に傷つき続けていいかは別の話です。

2. 事業所のフォローがないと感じたとき

急変時に上司がつかまらない。同行支援がない。 相談しても「様子を見ましょう」で終わってしまう。

こういう状態が続くと、ヘルパーはどんどん孤立します。

訪問介護は一人で利用者宅に入る仕事です。 でも、本来は一人で全部を抱える仕事ではありません。 相談できる体制、記録を見てくれる体制、困ったときに動いてくれる体制が必要です。

3. 身体的に限界が来たとき

連日の訪問、重い身体介護、移動の連続、睡眠不足。 体の疲れが抜けない状態で働き続けると、気持ちまで削られていきます。

「気合いで何とかする」には限界があります。 体が動かない、眠れない、食欲が落ちている。 こうした状態が続くなら、まず休むことも必要です。

4. 評価と報酬が見合わないと感じたとき

移動時間や待機時間が十分に評価されない。 責任は増えるのに給料が変わらない。 手当の説明が不透明。

こうした不満が積み重なると、 「なぜここまで頑張っているのに報われないのか」 という気持ちになります。

5. 事業所の価値観と合わないと感じたとき

利用者さんを大切にすることは大前提です。 でも、その名のもとに職員が犠牲になり続ける運営は違います。

どれだけ現場が苦しくても「利用者さんのためだから」で済まされる。 ヘルパーの安全や心身の負担が後回しにされる。

その状態が続けば、辞めたいと思うのは自然なことです。

辞めたい理由を、まず分けて考える

辞めたい気持ちが強いときほど、全部が嫌になって見えます。

でも、原因を分けてみると、 すぐに辞めるべき問題 と、 改善を求める余地がある問題 が見えてくることがあります。

たとえば、次のように整理してみてください。

  • 特定の利用者さんや家族との関係が原因なのか
  • サ責や上司との関係が原因なのか
  • 移動やスケジュールの過密さが原因なのか
  • 給料や待遇への不満が原因なのか
  • 孤独感や責任の重さが原因なのか
  • 教育不足やフォロー不足が原因なのか

ここを分けないまま、 「もう全部無理」 で判断すると、自分にとって一番良い選択が見えにくくなります。

担当変更で改善するのか。シフト調整で回復できるのか。 事業所内で相談すれば変わるのか。 それとも、職場そのものを変えた方がいいのか。

その判断をするためにも、まずは原因を分けることが大切です。

「自分は訪問介護に向いていないのかも」と感じている方は、 訪問介護に向いている人・向いていない人 もあわせて確認してみてください。辞めたい理由が、自分の性格の問題なのか、利用者さんとの相性なのか、事業所の体制なのかを分けて考えるきっかけになります。

一時的な疲れかもしれないケース

辞めたいと思っても、必ずしもすぐ退職した方がいいとは限りません。

たとえば、次のような場合は、一時的な疲れの可能性もあります。

  • 特定の利用者さんや繁忙期だけで気持ちが落ちている
  • まとまった休みを取ると少し回復する
  • 上司が同行、担当変更、シフト調整など具体的に動いてくれる
  • 体調不良が一時的で、休息によって戻る感覚がある

この場合は、いきなり辞める前に、 休む、担当を変えてもらう、シフトを見直す、同行を依頼するなど、 できることを試す余地があります。

辞めるかどうかを決める前に、改善できる原因なのかを見極めることが大切です。

運営者
運営者

辞めたい気持ちを無理に消す必要はありません。ただ、その気持ちの原因が「一時的な疲れ」なのか「環境を変えるべきサイン」なのかを分けるだけで、次の動き方が変わります。

続けるか、改善を求めるか、転職を考えるか

辞めたいと思ったとき、選択肢は 「今すぐ辞める」だけではありません。

大きく分けると、次の3つです。

選択肢 原因の変えやすさ 経済的影響 心身リスク
続ける
改善あり
低〜中
事業所内で
改善要求
転職 中〜高

※あくまで考え方の目安です。実際には、体調・生活費・相談体制・職場の対応状況をあわせて判断してください。

たとえば、担当変更やシフト調整で改善できるなら、すぐに辞めなくてもいいかもしれません。 事業所が具体的に動いてくれるなら、続けながら改善を待つ選択肢もあります。

でも、相談しても記録されない。改善されない。報復のような対応をされる。 その場合は、事業所内で改善する可能性は低くなります。

転職には不安もあります。 ただ、今の職場で心身を削り続けているなら、環境を変えることでリスクが下がる場合もあります。

大切なのは、感情だけで決めるのではなく、今の職場で変えられることと、変えられないことを分けて考えることです。

本当に職場を変えた方がいい危険サイン

一方で、無理に続けない方がいい状態もあります。

次のようなサインがある場合は、かなり注意が必要です。

  • 眠れない、食欲がない、気分の落ち込みが続いている
  • 暴言、セクハラ、ハラスメントが放置されている
  • 一人で対応すべきではない業務を強要されている
  • 急変時の支援体制がなく、相談しても動いてもらえない
  • 残業代未払い、休憩が取れないなど、労働条件に大きな問題がある
  • 相談しても記録されない、報復のような対応がある

これらが複数当てはまるなら、 「もう少し頑張れば何とかなる」だけで片づけない方がいい です。

特に、睡眠や食欲、気分の落ち込みなど、日常生活に影響が出ている場合は、 仕事の問題だけでなく、心身の安全を優先してください。

壊れてから辞めるのではなく、壊れる前に選択肢を作ることが大切です。

運営者
運営者

眠れない、食べられない、涙が出る、仕事のことを考えるだけで苦しくなる。こうした状態が続いているなら、気合いで乗り切る段階ではありません。まずは自分の心身を守ることを優先してください。

辞めたいと思ったとき、まずしてほしいこと

辞めたいと思ったときは、感情を押し込める必要はありません。 ただ、後悔を減らすために、次の順番で整理してみてください。

1. 原因を書き出す

まずは、何がつらいのかを書き出します。

  • 誰との関係がつらいのか
  • どの訪問がつらいのか
  • どんな言葉や対応が負担なのか
  • いつからしんどくなったのか
  • 体調にどんな変化があるのか

頭の中だけで考えていると、全部が絡まって見えます。 書き出すだけでも、原因が少し見えやすくなります。

2. 事実を記録する

暴言、無理な要求、計画外の依頼、長時間の拘束、休憩が取れない状況。 こうしたことがあるなら、事実を残してください。

記録するときは、次の4つを意識します。

  • 日時
  • 場所
  • 相手の発言や状況
  • 自分がどう対応したか

LINEやメールのやりとり、業務日誌、メモも大切です。 感情ではなく事実で伝えるための材料になります。

3. 上司に事実ベースで相談する

サ責や上司に相談するときは、 「つらいです」だけで終わらせない ことが大切です。

たとえば、こう伝えます。

「具体的にこういう事実がありました。私としては、担当変更か同行支援を検討してほしいです。」

相談するときは、改善案を1つか2つ出せると、事業所側も動きやすくなります。

4. 在職中に選択肢を作る

いきなり辞めると、経済的に不安定になることがあります。 可能であれば、在職中に次の選択肢を作っておく方が安全です。

  • 休みを取る
  • 担当変更を相談する
  • シフトを見直してもらう
  • 他の事業所の求人を見てみる
  • 労働相談窓口や労組に相談する

感情だけで決めず、事実と選択肢で動くことが、後悔を減らします。

まとめ|辞めたいと思ったら、まず原因と選択肢を整理する

訪問介護を辞めたいと思うことは、恥でも弱さでもありません。

理不尽な対応が続く。事業所が守ってくれない。 体が限界に近い。給料や待遇が見合わない。 価値観が合わない。

こうしたことが重なれば、誰でも辞めたいと思うことがあります。

ただ、勢いだけで辞める前に、まずは原因を分けてください。 一時的な疲れなのか、改善できる問題なのか、職場を変えた方がいいサインなのか。

そして、記録を残し、相談し、選択肢を作ってから判断してください。

辞めたいと思うことは、恥でも弱さでもありません。
まずは原因を分け、証拠を残し、選択肢を作ってから決めてください。

運営者
運営者

辞めるか続けるかを、今すぐ一人で決めなくても大丈夫です。まずは原因を分けて、記録して、相談して、自分を守る選択肢を増やしていきましょう。


この記事を書いた人

訪問介護のリアル 運営者

訪問介護のリアル 運営者のアイコン
  • 現場経験
  • 訪問系支援
  • 事業所運営目線

介護・福祉現場での経験をもとに、訪問介護を中心とした在宅支援のしんどさ、働き方、事業所選び、転職判断について発信しています。きれいごとだけではなく、現場で本当に起きていることを大切にしています。

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