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現場の悩み

訪問介護を辞めたいとき|我慢を続ける前の相談・担当変更・働き方の見直し

利用者さんのことは気になる。でも、この働き方はもうつらい。その気持ちを押し込めず、いま減らせる負担と、これからの働き方を分けて考えてみませんか。

訪問介護を辞めたいとき|我慢を続ける前の相談・担当変更・働き方の見直しを題材にしたイラスト
イラストは内容を伝えるためのイメージです。
先に、ここだけ

この記事で確かめたいこと

  • 危険や体調の問題がある時は、退職の結論を待たず安全と相談を優先。
  • 担当変更・同行・勤務調整を、具体的に相談してよい。
  • 記録や改善案がまとまっていなくても、外部の相談先を使える。
読みたいところから開く
  1. 辞めるかどうかより、まず今の安全を確かめる
  2. 辞めたい理由は、いくつも重なっていていい
  3. 今の負担を減らす選択肢を並べてみる
  4. 相談は「つらいです」から始めていい
  5. 記録は役立つ。でも、記録がないと相談できないわけではない
  6. 相談した後は、実際に何が変わったかを見る
  7. 事業所の外に相談する時の窓口
  8. 次の職場を探すなら、今の困りごとを質問に変える
  9. 利用者さんが心配で、離れにくい時
  10. いま決められなくても、負担を減らす相談はできる

辞めるかどうかより、まず今の安全を確かめる

「訪問の前になると気が重い」「次のシフトを見るのもつらい」。そんな時に、辞める理由をきれいに説明するのは難しいですよね。僕は、理由がまとまっていなくても、つらいという言葉を事業所に伝えていいと思っています。

この記事は、退職を急がせるためでも、もう少し我慢してもらうためでもありません。今の負担を減らす方法と、働き方を変える時に確認したいことをお話しします。

ただ、暴力や脅しなどで身の危険を感じる場面は、ゆっくり原因を書き出してから対応する話ではありません。安全な場所へ離れ、状況に応じて警察や救急、事業所へ連絡してください。危険が続く場所に一人で戻ることを前提にしないでほしいです。

眠れない、食事が取れない、強い不安などが続き、生活や仕事に影響している場合も、退職を決めるまで受診や相談を待つ必要はありません。医療機関や、厚生労働省の「こころの耳」の相談窓口を頼れます。この記事の項目にいくつ当てはまるかで、体調を判断しないでください。

辞めたい理由は、いくつも重なっていていい

利用者さんとの関係は嫌ではない。でも、移動が詰まっていて、事業所に相談しても変わらない。給料も安定しない。こういう時に、一つだけ原因を選ぶ必要はありません。

少し考える余裕があるなら、「何が変わると負担が減りそうか」を手がかりに分けてみてください。自分の性格に問題があるかを判定するためではなく、相談する内容を見つけるためです。

利用者さんや家族との関わりがつらい

強い言葉を受ける、支援の範囲を超える依頼が続く、勤務時間外も個人の連絡先へ連絡が来る。相手にも不安や事情があるとしても、ヘルパー一人が受け止め続ける形でよいとは思いません。

担当変更、同行、事業所を窓口にする対応、支援の範囲の説明など、組織で調整する余地があります。本人や家族への説明まで、困っている職員に任せないことが必要です。

一人で判断させられるのがつらい

手順が分からない。連絡しても返事がない。前の担当から十分な引き継ぎがない。そういう状態で訪問に入るのは、不安で当然です。

訪問先で一人になることと、判断や責任を一人で背負うことは違います。相談先、連絡がつかなかった時の次の連絡先、支援手順の確認が必要です。技術への不安なら、再同行や実技確認を依頼できます。

体力や生活時間が合わない

移動が続く、入浴介助が重なる、朝夕に勤務が分かれる、休める時間が読めない。支援の時間だけでは見えない負担があります。件数だけでなく、一日の始まりから終わりまでを見てください。

同じ五件でも、近い場所にまとまっている場合と、移動に時間がかかる場合では違います。「件数が少ないから大丈夫」とは決められません。家事や育児、通院など、自分の生活に必要な時間も含めて相談して構いません。

給与や説明に納得できない

表示された時給と実際の収入が違う、キャンセルが続いて勤務が減る、移動や記録の扱いが分からない。生活に直結するので、遠慮せず確かめたいことです。

勤務予定、実際に働いた時間、給与明細、受け取った労働条件の書面を照らし合わせると、どこが不明なのか伝えやすくなります。法律上の扱いに疑問がある時は、後で紹介する外部の相談先も使ってください。

今の負担を減らす選択肢を並べてみる

辞めるか続けるかの二択だけだと、どちらを選んでも苦しく感じることがあります。まずは、今週の負担をどう減らすかと、今後どこで働くかを分けて考えてもいいんです。

図解:辞めたいときの相談と働き方(タップで拡大)
考えられる対応確認したいこと
休みや勤務の調整いつから、どの訪問を減らすか。連絡する相手と調整後の勤務を確かめる
担当変更・同行次回訪問までに対応できるか。本人や家族への説明は誰がするか
相談窓口の変更直接の上司に話せない場合、管理者や法人の窓口、外部へ相談する
職場・働き方の変更希望条件、生活費、入職までの時間、自分が休む時間を考える

この表は、上から順番に全部試すためのものではありません。危険がある、体調が悪い、話すこと自体が負担になるなら、その状況に合う支援へ先につながってください。

また、休みを取って少し楽になったとしても、それだけで「一時的な疲れだった」と決めつけなくて大丈夫です。戻った時に同じ勤務や関係が続くのかも見ておきたいです。体調の判断は必要に応じて医療者に相談し、職場では何を変えるかを話し合います。

「担当を外す代わりに、もっと遠い訪問が増えた」では、別の負担が増えることもあります。変更したという事実だけで終わらず、働く本人にとって負担が減ったかを確かめるところまで必要です。

相談は「つらいです」から始めていい

事業所へ話す時に、完璧な改善案を用意する必要はありません。「この訪問の前は眠れません」「今の件数では続けられません」。その言葉から聞いてもらっていいです。

少し説明できそうなら、起きていること、仕事への影響、希望する対応を添えると、調整の話に進みやすくなります。以下は相談の言い方の例で、実際の出来事の引用ではありません。

担当の相談:「訪問のたびに強い言葉を受け、次回も一人で入ることが怖いです。次回の訪問前に、同行か担当変更について話したいです」

移動の相談:「前の支援を予定どおり終えても、次の訪問までの移動と記録の時間が足りません。実際の予定を一緒に見て、時間の間隔を調整してもらえますか」

技術の相談:「この介助はまだ一人で安全に行える自信がありません。どこで迷うかを実際に見てもらい、手順を確認したいです」

「検討します」と返ってきたら、誰が検討し、いつ頃までに返事をもらえるかを確認します。次の訪問が迫っているなら、その時点までの対応も必要です。返事が来るまで同じ状態で入り続けることを、当然にしないでください。

直接の上司が問題の相手なら、その人だけに話さなければならないわけではありません。管理者や法人内の別の窓口、外部の相談先を選ぶ方法があります。話す相手を変えることも、自分を守るための対応です。

記録は役立つ。でも、記録がないと相談できないわけではない

いつ、どこで、何があったか。余裕がある範囲で残しておくと、話が具体的になります。忘れてしまうこともあるので、日時だけでもメモしておくと後から振り返れます。

  • 起きた日時と、勤務中のどの場面だったか
  • 相手の言葉や行動など、実際に見聞きしたこと
  • 自分がどう対応し、誰に連絡したか
  • 連絡後にどんな返答や調整があったか
  • 仕事や体調に、どんな影響が出ているか

自分がつらいと感じたことも書いて構いません。相手の発言と、自分の気持ちを分けておくと伝わりやすいです。たとえば「帰れないように感じた」という気持ちと、実際に出口をふさがれたのか、繰り返し話しかけられたのかは、分けて残します。

業務記録や連絡履歴を扱う時は、利用者さんの個人情報にも配慮してください。相談に必要だからと、関係のない情報まで私物へ大量にコピーするのは避け、必要な範囲や扱い方を相談先へ確認できます。ブログやSNSに相手が分かる形で書くことは、相談とは別です。

そして、証拠をそろえるために危険な場所へ残る必要はありません。記録が不十分でも、分かることから相談してください。うまく説明できないから相談できない、という順番にはしないでほしいです。

相談した後は、実際に何が変わったかを見る

話を聞いてもらえたことと、勤務が変わったことは別です。「分かったよ」と言われて安心しても、次のシフトが同じなら負担は残ります。約束した対応がどうなったか、確認してみてください。

同行すると言っていた人は決まったか。本人や家族へ支援の範囲を説明したか。勤務間隔は調整されたか。急ぎの相談への連絡先が共有されたか。自分が困っていた点に対して、具体的な変化があるかを見ます。

調整後もつらさが残ることはあります。担当を変えたのに疲れが抜けないなら、原因がそれ一つではなかったのかもしれません。そこで「せっかく変えてもらったから、もう言えない」と抱え込む必要はありません。今の状態を改めて伝えてください。

逆に、改善の見通しを何度聞いても具体的な返事がない、相談したことで不利益な扱いを受けていると感じる場合は、内部だけで解決しようとしなくてよいです。誰に何を伝え、どう返ってきたかを外部へ相談できます。

待てる期間は、体調や安全、生活の状況によって違います。「最低何か月は我慢する」と一律に決めるものではありません。次の訪問にも不安がある時は、長期の改善計画とは別に、直近の勤務への対応を求めていいです。

事業所の外に相談する時の窓口

給料や勤務時間、ハラスメント、退職をめぐる困りごとなど、職場の中だけでは聞きにくいこともあります。厚生労働省の総合労働相談コーナーでは、労働問題を幅広く相談できます。内容に応じた窓口の案内も受けられます。

相談する前に、法律の名前を調べ切る必要はありません。「この時間が給与に入っていない」「退職についてこう言われた」のように、実際の状況から話して大丈夫です。雇用契約や勤務記録など、何を準備すればよいかも窓口へ確認してください。

心身のつらさについては、医療機関のほか、こころの耳の相談窓口案内から、電話・SNS・メールなどの相談方法を確認できます。受付時間や相談できる内容は、それぞれの案内を見て選びましょう。

労働条件の相談と、体調の相談は両方して構いません。職場の調整が進むまで、心身の相談を待たなくてもよいです。「どこに話せばいいか分からない」ところから、利用できる窓口を探してみてください。

次の職場を探すなら、今の困りごとを質問に変える

別の職場を考える余裕が出てきたら、今の職場でつらかった点を、次の面接の確認事項に変えてみてください。転職すること自体で、すべて解決するとは限らないので、同じ負担を抱えないための準備です。

相談が届かなかったなら、「支援中に困った時の連絡先と、不在時の対応を教えてください」。移動が詰まっていたなら、「一日の勤務例と、移動・記録の時間の扱いを見せてもらえますか」。教育が足りなかったなら、「一人で入る前に、どのような確認をしますか」と聞けます。

条件は、絶対に外せないものと、相談できるものを分けておくと伝えやすいです。たとえば、勤務できる曜日、最終の終了時刻、移動できる範囲、必要な月の収入です。相手に合わせて全部「大丈夫です」と答えると、また無理が重なりかねません。

求人サービスは情報を集める方法の一つです。直接応募や公的な職業紹介も含めて選べます。紹介を受けた場合も、希望と違う条件なら確認し、納得できなければ見送って構いません。今すぐ応募する気力がなければ、先に休むことを優先してよいと思います。

面接で使える質問は、訪問介護の求人の選び方にまとめています。必要になった時に使ってください。

利用者さんが心配で、離れにくい時

「自分が辞めたら、この方はどうなるんだろう」。訪問の仕事をしていると、ここが一番引っかかる方もいると思います。長く関わってきた相手なら、なおさらです。

でも、その心配を理由に、一人がいつまでも無理を続ける形にはしたくありません。担当の調整、後任への引き継ぎ、必要な関係者への連絡を進めるのは事業所の役割です。あなたが代わりの人を見つけなければ話ができない、ということではありません。

引き継ぎができる状態なら、本人が大切にしていること、伝わりやすい声かけ、支援の手順、未解決の相談を、決められた方法で残すことができます。体調が悪い時は、どこまで対応できるかも事業所へ伝えてください。

本人や家族への説明も、まず事業所と役割を確認しましょう。個人の連絡先を残して「辞めた後も何かあれば連絡してください」と引き受けると、区切りがつかなくなることがあります。次の相談先を事業所から伝えてもらう方が、支援をつなぎやすいです。

退職の時期や手続きで話がまとまらない場合は、契約内容や個別の事情も関わるため、外部の労働相談へ確認してください。このブログだけで、あなたの退職日や法的な結論を決めることはできません。

いま決められなくても、負担を減らす相談はできる

続けるか辞めるか、今すぐ一つの答えが出なくても構いません。「次の訪問は一人では難しい」「今週のシフトを相談したい」と、目の前の負担について話すことはできます。

ヘルパーが安心して相談できることは、利用者さんの支援を続けるうえでも大事です。無理をしている人が黙ったまま入り続けるより、困っていることを共有し、支える体制を見直したい。僕は事業所を運営する立場として、そう考えています。

相談窓口の確認日:2026年10月9日。窓口ごとの受付時間や利用方法は、リンク先の最新情報をご確認ください。

案内役・はるのイラスト
この記事の書き手

はる 訪問介護のリアル

福祉の仕事に20年以上

良いところも、しんどいところも。

都内で訪問介護事業所を経営しています。現場で支える側と、相談を受ける側。その両方で感じてきたことを、このブログでお話ししています。

ヘルパーを守りたい。でも、利用者さんの生活も守りたい。簡単に答えが出ないところも、一緒に考えていきます。

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