仕事は続けたい。でも、この事業所で働き続けてよいか迷う。担当・勤務・相談体制を分け、相談後に実際に何が変わったかを確かめながら考えます。

この記事で確かめたいこと
- 退職の結論を待たず、いま困っている訪問や勤務を相談する。
- 様子を見るなら、変更する内容と振り返る時期を決める。
- 相談後に実際に変わったことを確かめ、次の働き方を考える。
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障害福祉の仕事は続けたい。でも、今の事業所で働き続けることには迷いがある。そんな時、仕事を辞めるか続けるかの二択だけで考えると、なかなか答えが出ないですよね。
居宅介護や重度訪問介護では、利用者さんごとに支援の内容も時間帯も違います。担当する支援、勤務の組み方、教わる体制、相談後の対応を分けて見ると、今変えてほしいことが見えてきます。
この記事は、事業所を点数で判定するためのものではありません。今の負担を減らす相談と、これからの働き方を考えるための記事です。会話・記入例は説明用で、特定の事業所での体験談ではありません。
退職の結論より先に、いま困っている訪問を相談する
「辞めると決めるほどではない」「まだ入ったばかりだから」。そう考えているうちに、次の訪問が近づいてくることがあります。でも、退職の答えが出るまで、現在の困りごとを我慢する必要はありません。
介助の方法が分からない、家族への返答が決まっていない、夜間に誰へ連絡すればよいか知らない。まずは、その状態で次の訪問に入ってよいのかを、サービス提供責任者(サ責)や管理者へ確認します。
自分や利用者さんの安全に関わる不安は、「しばらく様子を見る」に含めないでください。差し迫った危険がある時は安全確保を優先し、必要な助けを求めます。危険への対応と、長期的な退職判断を分けて考えます。
また、体調が悪く、働き続けるのが難しいと感じている時には、勤務調整や休みを相談します。この記事の項目を全部埋めたり、職場と何度も話し合ったりしてからでなければ休めない、という話ではありません。
仕事・担当・勤務・相談体制を分けて書き出す
つらいことが重なると、「もう全部向いていない」と感じることがあります。そんな時は、できる範囲で一つの訪問や一日の勤務を思い出してみます。
介助そのものが難しかったのか。本人への確認方法が分からなかったのか。相談しても返事がなく、判断を一人で抱えたのか。同じ「大変だった」でも、変える場所が違います。
| 分けてみる項目 | 困りごとの例 | 相談する内容の例 |
|---|---|---|
| 支援の方法 | 教わっていない手順があり、自信を持ってできない。 | 再同行、実際の場面での確認、手順書の更新。 |
| 担当・関わり方 | 本人や家族とのやり取りを一人で抱えている。 | 事業所からの説明、同行、担当の組み方。 |
| 勤務・生活 | 長い勤務や夜間の支援と生活の両立が難しい。 | 勤務帯、担当時間、移動や訪問間隔の調整。 |
| 相談体制 | 連絡先はあるが、返答がなく判断が止まる。 | 代わりの連絡先、返答の担当、緊急時の手順。 |
| 説明された条件 | 入職前の説明と実際の勤務に違いがある。 | 書面と実態を照合し、相違点を確認。 |
原因が一つとは限りません。再同行があれば介助の不安は減っても、夜間勤務が生活に合わないことは残るかもしれません。事業所の努力で変えられることと、自分の希望する働き方も分けて見ます。
「事業所が悪い」と結論づけるためでも、自分の不足を探すためでもありません。何が変われば働きやすくなるか、何が変わっても難しいかを考えるための整理です。
続けられるかは、相談後に実際に変わったことを見る
「何でも相談してね」と言ってもらえるのはありがたいです。ただ、それだけで困りごとが減るわけではありません。相談後に、誰が何をしてくれたかを確認します。
- 再同行の相談に対して、担当者と日程が決まった。
- 家族からの依頼について、サ責が説明し、職員にも方針が共有された。
- 夜間の連絡先だけでなく、つながらない時の次の連絡先が確認できた。
- 手順書が更新され、次の訪問前に変更点を教わった。
- 担当や勤務を調整した後、負担がどう変わったかを聞いてもらえた。
こうした対応があれば、改善した内容を見ながら今後を考えられます。ただし、事業所が対応してくれたら必ず続けなければならないわけではありません。自分の生活や体調、希望する仕事との相性も大切です。
反対に、すぐ実施できない対応でも、理由と、それまでの代わりの方法が示されることがあります。「再同行は来週になるので、それまでは担当を調整する」など、困った状態のまま放置されないかを見ます。
相談体制そのものの確認点は、ヘルパーを一人にしない事業所の記事で詳しく扱っています。
「様子を見る」なら、変更点と振り返る日を決める
「もう少し頑張ってみよう」と思う時もあるでしょう。その場合は、何も変えずに我慢する期間を延ばすのではなく、変更したことを試し、その結果を確かめる期間にしたいです。
例えば、支援手順を確認するために再同行を行い、その後の訪問で迷いが減ったかを振り返る。家族への説明を事業所から行い、次の訪問でも依頼の食い違いが続いていないか確認する。こうした具体的な組み方です。
困っていること:家族から計画と違う依頼を受け、毎回その場で迷う。
相談したい変更:サ責から支援内容を説明し、担当職員へ返答の方針を共有してほしい。
確認する時期:次の訪問前に方針を確認し、訪問後に実際の様子を共有する。
未解決なら:説明の再確認と、同行・担当調整を管理者へ相談する。
期限は、誰でも一週間・一か月待つという決まりにはしません。支援の頻度と困りごとの緊急性に合わせて考えます。今の入り方に危険や強い負担があるなら、結果を待つ間の対応も先に決める必要があります。
振り返る時は、良くなったことと残っていることを分けます。「前より少し良いから、残りは我慢」ではなく、次に何を確認するかを話します。改善の約束が何度も延期されるなら、その経過自体を判断材料にしてください。
相談を「自分の努力不足」で終わらせないための伝え方
「自分だけできないのかもしれません」と切り出すと、励ましで話が終わる場合があります。自分の評価より、何が起きて、どこで判断できなくなったかを先に伝える方法があります。
「今の手順書では、本人が支援を望まないと言った時の対応が分かりません。前回は電話で確認しましたが、次回も一人で判断するのが不安です。本人への確認方法を、もう一度同行して見てもらえますか」
このように伝えると、何を教わりたいかが分かります。相談がうまくまとまらない場合は、困った場面を一つ話すだけでも構いません。書き方が整っていないことを理由に、相談を先送りしないでください。
記録するなら、相談した日、相談相手、伝えた内容、返答、実際に行われた対応を残します。職場を比較する個人のメモには、利用者さんの氏名や住所、詳しい支援記録を持ち出さないようにします。個別支援の情報は事業所の定める方法で扱い、自分の勤務上の困りごととは分けて管理します。
「先輩はできる」と言われた時も、先輩が何を確認し、どんな手順で支援しているかを教わる話につなげます。先輩の経験年数や相性だけを比べても、自分の次の訪問は変わりません。初回同行・再確認で聞きたいことも参考になります。
調整しても難しい時は、相談先や働く環境を変える
相談しても返答がない、内容を確認せず責められる、決めた対応が行われない。そんな時は、同じ相手への説明だけを繰り返す必要はありません。管理者など、別の責任者へ状況と経過を伝えることも考えます。
「いつ誰に話したか」「どんな返答だったか」「現在も何が続いているか」が分かると、これまでの相談が止まっている箇所を確認できます。管理者自身との問題である場合など、内部で話しにくければ外部の相談先を利用する方法もあります。
厚生労働省の総合労働相談コーナーでは、配置転換、募集・採用、いじめ・嫌がらせなど幅広い労働問題の相談を扱っています。相談先が分からない時の入口として、公式案内で窓口を確認できます。
相談を全部試してからでなければ、職場を変えてはいけないわけではありません。担当変更、勤務の見直し、休むこと、別の職場を探すことを、その時の状況に応じて考えます。
利用者さんが心配で、離れることを言い出しにくい時
「自分が抜けたら、この人はどうなるだろう」。そう考えると、職場の話ができなくなることがあります。担当してきた相手だからこそ、気になるのは自然だと思います。
ただ、訪問の体制を維持することを、特定のヘルパーの無理だけに頼る形にはしたくありません。担当を変える時の説明、引き継ぎ、代わりの職員の調整は、事業所として進める話です。
自分が引き継げる内容と、事業所が決める内容を分けて相談します。本人が安心できる声かけや手順、まだ未解決の相談などは、所定の方法で共有します。「次の人が見つかるまで個人で何とかする」と、終わりが分からない約束を抱え込まないようにしてください。
退職や担当変更の相談を、利用者さんへの私的な説明や連絡先交換で埋める必要もありません。本人への説明の時期と担当者を事業所と確認します。関わり方で迷う時は利用者さんとの距離感の記事も参考にしてください。
「まだ続けたい」という気持ちが残っていても、働く場所や勤務の仕方を変えることは考えられます。逆に、これまでの経験を生かして別の仕事を選ぶことも含め、今の事業所だけで自分の将来を決めなくてよいと思います。
次の職場では、つらかったことを確認する質問に変える
別の職場を探す時、今の不満をすべて反対にした求人を探すだけでは、実際の支援体制までは分かりません。困っていた場面を、面接で確かめる質問に変えます。
| 今、困っていたこと | 次に聞きたい質問 |
|---|---|
| 同行が終わった後に相談できない | 「独り立ち後の再同行は、誰にどう相談しますか」 |
| 夜間の連絡先が曖昧 | 「勤務する時間帯の連絡先と、不通時の手順を教えてください」 |
| 家族対応を一人で抱える | 「支援内容の変更や難しい説明は、誰が本人・家族へ伝えますか」 |
| 勤務が生活と合わない | 「希望する曜日・時間帯で、どのような勤務例がありますか」 |
| 担当の見直しを相談できない | 「支援が難しい時、同行や配置についてどのように相談しますか」 |
給与や勤務時間も、もちろん大切です。支援体制が良さそうだからといって、生活に必要な条件を後回しにする必要はありません。自分が譲れない条件を二つか三つ決め、同じ項目で比べます。
説明だけでは分からないところは、勤務例や、入職後に教わる流れを聞きます。見学が可能なら、個人情報に配慮された範囲で確認します。「詳しくは入ってから」となった項目は、未確認として残し、都合のよい内容を想像して埋めないようにします。
詳しい質問は障害福祉の求人チェックへ。求人を見る前の準備と応募後の流れは、転職活動の進め方で確認できます。
続ける場合も、変える場合も、自分の条件を残しておく
今の職場で改善できたなら、何が助けになったかを覚えておきたいです。再同行で手順が分かった、相談の窓口が決まり迷いが減った、勤務が生活に合うようになった。次に困った時も、その経験を基に相談できます。
職場を変えると決めた場合は、譲れない勤務条件と、次に教わりたいことを残します。今の職場に合わなかった理由を、利用者さんの個人情報や職場の悪口にせず、自分が必要とする環境として伝えます。
まだ決められない場合もあります。その時は「今日は辞めるかどうか決めない。次回訪問の同行を相談する」のように、目の前の行動を一つ決めるだけでも構いません。
参考資料
- 厚生労働省:総合労働相談コーナーのご案内
確認日:2026年10月9日。本文の相談メモや振り返りの項目は、働き方を考えるための提案です。特定の項目に当てはまるだけで、事業所の適否や退職の結論を判定するものではありません。
